2024年1月26日

唐津藩御用絵師 長谷川雪旦

『魚類譜』(国立公文書館デジタルアーカイブ) 長谷川雪旦(1778-1843)

天保期(1830〜1844)に斎藤月岑が著した『江戸名所図会』は、江戸時代の江戸の町を知るための、おそらく最良の書物である。町名主の斎藤家三代40年に及ぶ労作である地誌であるが、この書の魅力の過半は、数百点に及ぶ長谷川雪旦の挿絵にあると言っても過言ではない。雪旦は同著者による『東都歳時記』の挿絵も担当しており、これらの仕事で雪旦は歴史に名を留めているが、彼がある時期、唐津藩小笠原氏の御用絵師であったという事実はあまり知られていない。
雪旦が各地で取材した様々な魚介類の写生図を納めた『魚類譜』には、文政5年(1822)に唐津の唐房の海辺に漂着した海獺(アシカ)の写生図が含まれており、史料としてはもとより博物学的価値も高いものとなっている。

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